佐原の町並み~正文堂

2010.10.21

By Black and Blue

2010年03月18日に掲載した『日本橋・熈代勝覧(きだいしょうらん)-その1』


2010年03月25日に掲載した『日本橋・熈代勝覧(きだいしょうらん)-その2』

東京・日本橋の地下通路で熈代勝覧(きだいしょうらん)を初めて見たときには、職業柄江戸時代の町並み、特に建物の外観に目が行ってしまったが、まさかその実物を千葉県佐原で見るとは思わなかった。香取市の公式観光サイトによると以下のように記述されている。

●佐原の町並み
水運を利用して「江戸優り(えどまさり)」といわれるほど栄えていた佐原。人々は、江戸の文化を取り入れ、更にそれを独自の文化に昇華していました。その面影を残す町並みが小野川沿岸や香取街道に今でも残っています。このような歴史景観をよく残し、またそれを活かしたまちづくりに取り組んでいることが認められ、平成8年12月、関東で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」(重伝建)に選定されました。佐原の「重伝建」は昔からの家業を引き継いで今も営業を続けている商家が多く、「生きている町並み」として評価されています。

■正文堂
大黒柱は欅材、2階の窓は土塗の開き戸、さらに横引きの土戸に板戸と、三重に防火設備を伏した土蔵造りとなっている。登り龍、下り龍を配した看板が特に目を引く。「正文堂」の文字は巌谷修の書(明治29年)である。重厚などっしりとした立派な建物である。

特に正文堂の看板には驚いた。江戸時代から脈々と続く伝統を引き継ぎ、重厚さと風格に満ち溢れ、さらには気品すら感じさせると言っていいと思うが、いま同等の物を作ったとしたら一体いくらかかるのだろう。今でも一つの会社で全てこれだけの物を製作出来るところはまず無いと思うが、明治29年と言えば西暦1896年。100年以上も昔の話だ。もしこの看板が当時のままだとすれば堅牢さも兼ね備えていることになるのだ。

佐原の目抜き通りにはサイトに掲載される重要建造物が多いが、佐原の町並みの面白さはそこだけではない。一歩裏通りに入るだけでも、なかなか他所では見ることの出来ない素晴らしい建造物がたくさんあるのに気が付いたが、それらはいずれ紹介。なお当日は歩いただけでもずぶ濡れになる土砂降りの中、携帯電話で撮影したので写真の出来は今ひとつだった。


Googleマップで見たい方はクリック