アマゾン・キンドルファイヤーへの期待

  • 2011.10.23
By Black and Blue

iPod touchでも電子書籍や漫画を読んだことはあるが、さすがに画面が小さいと読みにくい。その点、iPadは電子書籍端末としては最適の大きさで、自宅に居るときはiPad経由で電子書籍を購入することが殆どだ。特に便利なのが漫画閲覧で、場所も取らないし、一度購入したら何度でも好きなときに読み返せるのでとても重宝している。

これで後は単行本の最新刊を電子書籍で取り扱ってくれるようになればありがたいなと思っているのだが、端から見ていると業界内部でも混乱しているようで、いまだに規格乱立競争を続けているのだから情けない。ソニーの電子書籍リーダー"Reader"も低価格だったので1台ぐらい購入してみようかと考えたのだが、店頭で触ったときにあまりにも安っぽかったので見送ることにした。

音楽・映画・書籍業界の動きを見ていると、ユーザの利便性よりは自分たちの既得権益を守ることが第一の印象が強い。アップルのiCloudサービスで楽曲の自動同期が出来るのを楽しみにしていた人たちも多いかと思うが、ここ日本ではどうやらサービス開始がいつになるのか全く分からない状況だ。

●アップルと音楽業界「攻防」再び 舞台は「iCloud」 価格決定巡り深い溝

米アップルが12日に全世界で始めた「iCloud」。ところが売り物であるはずの新たな音楽配信機能が日本では利用できない事態になっている。新サービスを使えばクラウドを通じて購入した楽曲をパソコンや音楽プレーヤーなど複数の端末に自動配信できるが、この仕組みについての契約を巡り、アップルと日本の音楽業界が合意に至っていないのが原因だ。同社は音楽のネット配信サービス「iTunes
Store」でも、日本進出が米国より2年遅れた過去を持つ。背景にはアップルが楽曲の値決めをする「価格決定ポリシー」と、それに反発する音楽業界との深い溝がある。

自己改革出来ない団体や業界は毎度のことながら外圧に頼るのが一番だが、ここ日本でも早くアマゾン・キンドルが発売されれば様変わりするのにと思っていたら、遂にアマゾンも年内にも電子書籍サービスを始めるとの記事が報道された。

●アマゾン、年内にも日本で電子書籍
2011/10/20 2:01

インターネット通販で世界最大手の米アマゾン・ドット・コムは日本で電子書籍事業に参入する。小学館、集英社など出版大手と価格設定などで詰めの交渉に入っており、年内にも日本語の電子書籍を購入できるサイトを開設。スマートフォン(高機能携帯電話)などに配信し、自社の電子書籍端末「キンドル」も投入する構え。日本勢も紀伊国屋書店や楽天がソニー製端末への書籍提供を始める。日本でも電子書籍の普及が本格化しそうだ。

アマゾンは講談社、新潮社などとも交渉しており、1~2カ月以内に数社との契約を目指している。中堅出版のPHP研究所(京都市)とは合意した。PHPは約1000点の書籍を電子化して提供する方針。

購入者はネット上でアマゾンの電子書店にアクセスし、欲しい書籍をスマートフォンやタブレット端末、電子書籍端末にダウンロード。クレジットカードなどで支払う。

日本参入に向け、アマゾンはこのほど米で新モデルを発表した自社の電子書籍端末「キンドル」を日本に投入することも検討する。

ちなみにキンドルファイヤーの価格を調べてみたら、199ドル(1ドル80円換算で16000円弱)と非常に魅力的な数字が掲載されており、この価格ならばiPadのほかに1台購入してもいいかなと思わせるに充分だ。いつまで経っても権利調整を名目に一向に進展しない業界秩序をアマゾンが多少なりとも改善してくれるのではないかと密かに期待している。

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