ファーレ立川 No.096 危ういバランス

  • 2010.11.05
By Black and Blue



ァーレ立川の全作品109台の最後に登場するのは、いささか地味ながらも微妙なバランス感覚の上に成立している黒い御影石の角柱だ。一段ずつずらして重ねてあるために少し押せば落ちそうな気がしないでもないが、このようにファーレ立川の作品には人間の機微に触れるものが非常に多い。

思うにやや色褪せた感はあるものの、設立当初の『創造の場として未来に発展することを願い建設された都市空間』の試みはとてもユニークで立川の街全体に潤いを与えているのは間違いないだろう。仕事等で訪れるたびにもう一度見つめながら通りを歩くようにしているのだが、そのたびにこの作品があることの楽しさを味わえるのは立川ならでは。天気晴朗の穏やかな休日にこのファーレ立川の作品を眺めながら、昭和記念公園を訪れるのも一興かもしれないと思っている。

以下全文引用

立川ビジネスセンタービル北側のギャラリーロードに、石彫作家の湯村光さんによる車止めの作品があります。鏡面仕上された黒御影石の角柱が四つに割られ、ずらして重ねられています。側面はさまざまな角度で街を映しだしています。

湯村さんの作品は、このように非常に精密なものと一種の偶然によってできた形を対比して示すもので、明快です。しかし、ファーレ立川に車止めとして置かれたこの作品は、今にも倒れそうに見えたためか(実際はそんなことはないのですが)いつの間にか黄色と黒の注意テープが貼り回されていたことがありました。

今ではテープははがされていますが、テープを貼ったのは一体誰だったのでしょう?作者は自分の作品にテープが貼られることを許したのでしょうか? あれはまさに、謎でした。なお、作品には「黒い柱」という題が付けられています。

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