渋谷109・ステンレス仕立ての案内板

  • 2011.01.14
By Black and Blue





ステンレスヘアーライン仕上げ、またはステンレス鏡面仕上げのフィルムはありませんか?という問い合わせは良くある。本物の金属のステンレスを使用すると結構いい値段になるので、少しでも材料費を抑えるためにと厚さ0.5ミリ程度のフィルムを使用したいという訳だ。我々が最近使用する厚さ0.01ミリから0.5ミリ弱のシートは実に多種多様にわたっており、木目調から石模様まで遠目に見ると本物と見間違わんばかり。なのでもちろん金属のステンレスをまねたヘアーライン風や鏡面仕上げのシートもある。

が、本物のステンレスとシートのそれとを見比べると質感の違いは一目瞭然。ステンレスヘアーライン風のシートは本物と比較すると実に安っぽく見えてしまうのだ。現時点ではさすがにいくら技術が進化したとは言いながらも、金属仕立ての質感をシートで表現するのは実に難しいことなのだと今更ながらに思っていたところ、渋谷109の総合案内板を見ていたら、そのステンレスヘアーラインシートのうまい使い方を見つけた。

1枚目の写真。全面ステンレス鏡面仕上げの壁に張ってあるのが、ステンレスヘアーライン風の一枚物のシートで、黒い部分はインクジェットで印刷しているのだろう。拡大した2枚目の写真の黒くベタで塗ってあるところ以外の、横目の筋が見えるところがヘアーライン風なのだが、ヘアーライン部分を全面に押し出してしまうと安っぽく見えるために、ヘアーラインの箇所をワンポイントで見せている。

つまりヘアーライン部分の面積は極力少なくし、ほんの少しだけ見せる。黒い箇所の面積をヘアーライン部分よりも圧倒的に大きく表現しているのだ。こうすれば安っぽさを隠しながらイメージとしてステンレスヘアーラインを見せることが出来ると判断したのだろうが、結果としてその試みはとてもうまくいっていると言っていいだろう。なにしろ遠目に最初見たときには私でさえ、ステンレスヘアーライン?と思ってしまったぐらいなのだ。

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