ユニークなマリオ・バロテッリ

  • 2011.01.23
By Black and Blue

ニコラ・アネルカを初めて見たときには、この先どれほどのレベルまで到達するのだろうと末恐ろしかったのを憶えている。Wikipediaを見ても『ペレはこのころの彼を評し、ストライカーに必要なものを全て兼ね備えているとベタ褒めした』と書かれているので、多くの人がその成長を楽しみに見守っていたことだろう。

が、その後はチームを転々とし、現在のところはチェルシーに落ち着いているが、正直こんなものではなかったはずと思うのは私だけだろうか?マリオ・バロテッリを見ていると、ひょっとしたらニコラ・アネルカのように本来の実力を出し切ることないまま問題児で終わってしまうのではないか、そんな危惧を抱かざるを得ないのだ。



このビデオを見れば一目瞭然、これで19歳とはにわかに信じがたいが、その潜在能力の高さを否定することは誰にも出来ないと思う。が、問題は素行面。過去に何度も物議を醸す発言を繰り返しており精神面であまりにも不安定なのだ。

●バロテッリとファンが一触即発の事態

20日のチャンピオンズリーグ(CL)準決勝ファーストレグで、バルセロナに3-1と勝利を収めたインテル。だが、素晴らしい夜に一つ残念なことが起きてしまった。試合後、FWマリオ・バロテッリがピッチを後にするときに、ユニフォームを地面に叩きつけ、悪態をついたのだ。バロテッリを怒らせたのは、サン・シーロのスタンドにいた一部のサポーター。終盤にバロテッリがミスをした際、彼らはマリオにブーイングを浴びせたのだ。

終盤、足がつったディエゴ・ミリートの代わりに出場したバロテッリは、カウンターのチャンスで失敗し、サポーターから批判された。彼はこれを快く思わず、我を忘れ、試合中も試合後もサポーターを侮辱している。試合後1時間が過ぎても、緊張に終わりはなかった。バロテッリが自分の車でサン・シーロを離れようと駐車場へ向かうと、一部のサポーターグループが侮辱しながら彼に近づき、彼を襲おうとしたのだ。幸いにも、クラブのセキュリティが両者を遠ざけることに成功した。

●バロテッリを蹴り退場したトッティ 「『爺さん、お前は終わった選手だ』と言われた」

ローマの主将フランチェスコ・トッティは、5日に行われたコッパ・イタリア決勝でインテルのマリオ・バロテッリに対して仕掛けた悪質なラフプレーについて、自身のとった行為が間違いであったことを認めながらも、いまだに原因は相手にあると主張している。イタリアの『ディーバ・エ・ドンナ』誌とのインタビューに応じたトッティは、バロテッリから浴びせられた侮辱発言の内容を明らかにした。

「過ちを犯したのは自分だが、挑発してきたのは彼の方だ。最初にマッチアップした時からののしられ、『爺さん、お前はもう終わった選手だ』とまで言われたんだ」このラフプレーにより同大会での4試合の出場停止処分を受けたトッティは、バロテッリの「人種差別的な暴言を浴びせられた」との言い分を真っ向から否定しているが、「あの一件以来、孤独を感じている」と述べ、自身の主張にあまり耳を傾けてもらえない状況を嘆いた。



●マンCのバロテッリ「僕より上の選手はメッシだけだ」

マンチェスター・シティのイタリア代表FWマリオ・バロテッリは、伊紙『トゥットスポルト』主催によるゴールデンボーイ賞(21歳以下の欧州リーグ年間最優秀選手)に選出された。アーセナルのイングランド代表MFジャック・ウィルシャー、アトレティコ・マドリーのU-21スペイン代表GKダビド・デ・ヘアを上回る票を獲得したバロテッリは、今回の受賞を信じて疑わなかったようだ。「ゴールデンボーイを受賞できてうれしい。だが、僕以外に誰がこの賞にふさわしいというんだい?

一昨年は6位、昨年は4位に終わった。今度こそ僕の番だ」過去には、ラファエル・ファン・デル・ファールト、ウェイン・ルーニー、リオネル・メッシ、セスク・ファブレガスが受賞してきたゴールデンボーイだが、バロテッリは、過去の受賞者よりも自身の方が上であると断言した上で、唯一の例外としてメッシの名を挙げた。「過去の受賞者の中で、ひとりだけ僕より少しだけ上の選手がいた。それはメッシだ」バロテッリは最後に、昨シーズンまでプレーしていたインテルの宿敵ミランへの移籍願望を公言した。「イブラ(ズラタン・イブラヒモビッチの愛称)に、僕をミランに呼び寄せてくれるよう頼んである。いつかはこの夢がかない、“ロッソネロ"(ミランの愛称)でプレーできるだろう」

●セリエAで蔓延する人種差別・バロテッリ問題は氷山の一角か

順調に成長すれば能力的には紛れもなくイタリアのみならず世界を代表するFWになることは間違いないだけに、その動向へサッカーファンの関心が高いが、先日のモウリーニョ監督に対する発言を聞いていたら思わず失笑してしまった。本気で言っているとしたら相当な大物だが、それにしてもこの歯に衣着せぬ発言が彼の真骨頂なのだろう。

キャラクター的には唯我独尊でとてユニークだが、それにしてもインテル時代からミラニスタを公言するなど、前述のイブラヒモビッチに頼んでいるという発言もどこまで本気なのか非常に面白い。まずあり得ない話だが、万が一バロテッリがミランに移籍するようになればサッカー界の問題児・悪童FWがすべてミランに集結することになり、彗星周期チーム・バルセロナとは別な意味での彗星周期チームが出来上がるかもしれない。

●マンCのバロテッリ「モリーニョは人としてもう少し学ばねばならない」

マンチェスター・シティ(マンC)のイタリア代表FWマリオ・バロテッリが、昨シーズンまでインテルの一員として共に戦ったレアル・マドリーのジョゼ・モリーニョ監督を歯に衣着せぬ物言いで批評した。伊紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューに応じたバロテッリは、インテル時代に自身を戦力外寸前まで追い込んだモリーニョ監督について、マンCの現指揮官であるロベルト・マンチーニ監督を引き合いに出してこう述べた。「モリーニョは監督としては最高だ。だが、人としてはもう少し学ばねばならない。人間的には、マンチーニの方がモリーニョの10キロ先を行っている」