ソースネクストいきなりPDF/COMPLETE Editionの出来が悪い

  • 2011.06.18
By Black and Blue

WindowsでMicrosoft Office以上に重要なソフトはなんと言ってもPDF編集ソフト。現在はありとあらゆる書類を全てPDFに変換し、必要な書類については全部ネットにアップしているので、このPDF編集ソフトが無いと日常業務が滞るようになってしまった。

アドビのPDF管理ソフトであるAcrobatは所有はしているのだが、複数のWindows全てにインストールするわけにもいかず、安価で優れたPDF編集ソフトはないかなと思って購入したのが、いきなりPDF EDIT 7。かれこれ1年以上使用しているが、多少のバグはあるものの、この価格でこの機能ならば申し分なしというぐらいに気に入っており、かつまた重宝していた。

が、先日ネット巡回していたら、このいきなりPDF EDIT 7がバージョンアップして、いきなりPDF/COMPLETE Editionとして発売されているのを知った。お気に入りソフトがバージョンアップしていると、今度は一体どんな機能を搭載しているのだろうと知りたくなるもの。現在でも充分満足しているのだが、さらに便利な機能が搭載されていれば買いとなるだけに興味津々でアマゾンの評価を読むと、これが不平不満の続出で評判が悪い。

これだけ評価が悪いと購入するのに躊躇してしまうが、バージョンアップすれば現状のバグは改善されているのは間違いないし、+α程度の機能でも現行版がかなり使えるだけに良しとすべきかもしれないと考え、購入に踏み切った。

Windowsの前身であるMS-DOSも含めれば、有料無料とを問わず何百本ものソフトを使用してきた。しかしながらこの『いきなりPDF EDIT 7』→『いきなりPDF/COMPLETE Edition』ほどバージョンアップの出来が悪かったソフトは記憶になく、個人的には市販品の水準に達していないと思っている。ことごとく全ての面で退化しており、なにゆえにこの水準のソフトが市場に出回っているのか疑問にすら思う。

動作検証すらまともに行っていないのではないかと思える商品を販売しているソースネクストの見識を疑いたくなるが、前製品のいきなりPDF EDIT 7の出来が良かっただけに残念で仕方がないのだ。多少の機能アップでそのまま正常進化してくれれば充分だっただけに、今一度商品開発から見直して欲しい。生命に危険がないから許されるのかもしれないが、車で言えば全製品回収のリコールものだろう。

なおいきなりPDF/COMPLETE Editionは、ハードディスク初期化→Windows7インストール→いきなりPDF/COMPLETE Editionインストールで、最初から環境構築し直した後の感想である。つまりWindows7に不純物は全く含まれていない素の状態でインストールしているので、いきなりPDF/COMPLETE Edition個体以外の要因で不具合が生じている可能性は皆無に近い。

いきなりPDF/COMPLETE Editionの感想

・画面描画が若干遅くなったような気がする。
・1頁目→2頁目→3頁目というページの切り替え速度が遅くなっている。
・公式サイトのアップデートを行っても、A3縦置き印刷が出来ない。
・写真を数多く入れた報告書を作ると、ファイル容量は2MB程度なのに印刷画面を見ていると200MB以上に膨れ上がり、時間がかかる。
・テキストボックス画面で文字入力を行うと、インライン入力が出来ない。
・テキストボックス画面での文字入力作業はいきなりPDF EDIT 7と比較すると、あらゆる面で作業性が後退しており使いものにならない。
・調べた範囲では選択した複数ファイルの結合が出来ず、1枚のファイルに一つずつファイルを挿入していく手順をとらねばならず、ファイル枚数がたくさんあるときは手間暇がかかる。
・2日程度使用した後に継続使用を断念したので、これ以外にも不具合があるのかもしれない。

操作体系が全く異なることからも一から作り直したのかもしれないが、それにしても前バージョンよりもほぼ全ての面で完成度が劣っているソフトも珍しい。個人的には無理にリボンインターフェイスを採用する必要性は感じないが、もしアイコン表記で操作体系を分かりやすく表現したいのならば、アドビのIllustratorやPhotoshopの方が遙かに使いやすい。