アジアカップ決勝戦を前に思うこと

  • 2011.01.29
By Black and Blue

本日届いた読売新聞のチラシ広告を見ていたら、『サッカーアジアカップ決勝、日本対豪州戦の試合結果掲載のため1月30日(日)の朝刊配達が遅れます。どうかご了承ください』と掲載されていたので少々驚いてしまった。そういえばアジアカップについてはNHKニュースや読売新聞でもかなりの紙面を割いて掲載しているので、それだけ読者の関心が高いということなのだろう。

個人的には殆ど関心がないのでアジアカップは見ていないが、過去に報道されたアジアカップとは熱の入れ方がかなり異なるような気がする。昨年度日本がワールドカップで躍進を遂げたことにより国民の間で急速にサッカー熱が高まってきた結果だとしたらとても嬉しいものだが、これが今夏開催される南米選手権(コパアメリカ)でさらに過熱するようなことがあれば、日本国民の間でもようやくサッカーがプロスポーツとして根付くようになってきた証拠だろう。

ちなみにアジアカップをWikipediaで調べてみると、以下のように記載されている。

この変更の背景には、W杯の中間年に行うと夏季オリンピックやUEFA欧州選手権と開催年が重なるため注目度が低くなりがちだった事や、W杯で注目を浴びた名選手がアジアカップ前に加齢や世代交代で代表引退してしまうのを防ぐため、またアジアにおいてはW杯アジア最終予選とアジアカップつまり奇数年を代表育成サイクルのピークにしている国々が多い点が欧州などと異なる事、さらに開催地のローテーション制や予選をホーム・アンド・アウェーで行うことによって、より競技レベルの向上を推し進めたいAFCの意向があると思われる。

奇数年の一月に開催されるとはなんとも奇異な大会だと思っていたら、上記のような理由があったわけだ。アジアカップは見たことがないので各国の臨む姿勢が分からないが、新聞記事で読んだ限りでは、サウジアラビア戦はやる気が全く感じられずにがっかりしたとの発言を日本の選手から聞くと、ワールドカップとはまた異なる大会なのだろう。優勝国を見ても過去14回開催のうち韓国は第1回(1956年)と第2回大会(1960年)を最後に優勝しておらず、日本と並んでアジアの強豪と目されているはずなのに、これはどうしたことなのだろう。

欧州選手権(EURO)や南米選手権(コパアメリカ)とは比べるべくも無いが、内容はどうであれ、ここでは常に結果を出すことが大事だ。極端な話、アジアカップで優勝しても欧州強国から見たらさほど価値はない、でもアジアでNo.1,No.2という結果を出し続けることにより見方は確実に変わり、フレンドリーマッチも組んでもらえるようになる可能性は結構高い。

それにしても"アジアのバルセロナ"発言には失笑してしまった。スポーツ番組のダイジェスト版を見ている限り、まだまだ日本を含むアジアの選手のサッカープレイヤーとしての質感は低い。ボールを受けるとき、ボールが来ることを予想して走り出すときなど、止まって、走って、蹴ってのそれぞれの局面における体全体の挙動から発する雰囲気が、欧州強国のトッププレイヤーと比較すると質感として低いのだ。欧州南米のサッカーを何百試合も見ていれば自然と分かるようになるが、この質感の面で同等にならないと、ワールドカップで勝ち抜くことは難しい。

現時点では国別、クラブ別を問わず全世界で見ていて一番美しく楽しく、そして強いサッカーを展開しているのはバルセロナであってスペインではない。そのバルセロナが数字の面でも偉業を成し遂げた。備忘録として残しておきたい。

●バルセロナ、前半戦19試合で勝ち点52の新記録を樹立

リーガ・エスパニョーラ前半戦最後の試合となったマラガ戦で4-1の勝利を収めたバルセロナは、ここまでの19試合を17勝1分け1敗という成績で終えた。リーガ史上最高となる勝ち点52を獲得し、3シーズン連続で“冬の王者"に輝いた。バルセロナは冬の王者に輝いた過去2シーズンは、そのままリーグ優勝も果たしている。ちなみに、前半戦での17勝も1960-61シーズンにレアル・マドリーが打ち立てた16勝の最多勝利記録を上回る新記録となる。

また、この勝利によって、バルセロナは今季の全大会を通じた連続無敗記録を28試合に伸ばし、同じくバルセロナが73-74シーズンに達成したgi27試合という連続無敗記録も塗り替えた。同クラブのアンドニ・スビサレタSD(スポーツ・ディレクター)はこの成績について、「19試合で52ポイントを獲得するなんて奇跡だ」と、自らのチームの偉業をたたえた。