EURO2012会場のドンバスアリーナ-その2
- 2012.05.07
2012年05月01日に掲載した『EURO2012会場のドンバスアリーナ-その1』
もし2006年ACミランからチェルシーに移籍していなかったとしたならば、とは誰しもが思うことだろう。もちろん歴史に、たらればはダメということは分かるのだが、2004年3月にペレが選ぶ偉大なサッカー選手100人に選出され、同年度のバロンドールを受賞するなど、ウクライナの英雄的存在であるアンドリー・シェフチェンコを見るたびに、スポーツ選手としての環境順応性の問題を強く感じてしまうのだ。
1976年9月29日生まれなのでチェルシー移籍時は30歳になる直前。当時スペイン・イタリアと並ぶ強豪リーグの一つであるプレミアリーグに移籍するには遅きに失した感がなきにしもあらずだが、当時のACミランでの王様ぶりをみればそれも単なる杞憂に過ぎないと誰しもが思ったはずだ。ACミラン在籍7年間での通算ゴール数は173。リーグ・カップ・国際大会を含んだ数字だが、セリエAで年平均24ゴールは驚異的と言うよりもにわかには信じがたい数字だ。
いわゆる万能型のストライカーに分類されるが、ヘディング、左右両足のシュート、どれをとっても超一級品。まさに点取り屋そのものでゴール前での決定力はずば抜けていたが、とにかく最後はシェフチェンコに配球すれば必ずゴールまで結びつけてくれるという、見ていて安心感を感じたものだ。が、チェルシー移籍以降はぱっとせずに奇しくもACミラン時代の監督であるアンチェロッティから移籍勧告を受けて、古巣ディナモ・キエフに復帰、現在に至っている。
すでにユーロ2012終了後の現役引退を発表しており、事実上このEURO2012が引退試合となるが、果たして最後の舞台で往事の切れを取り戻すことは出来るのだろうか?グループリーグの組合せを見ると、ウクライナはイングランド、フランス、スウェーデンと対戦するが、正直なところグループリーグ突破はかなり厳しい。なおシェフチェンコの現所属チームはディナモ・キエフなので本来ならば、オリンピスキ・スタジアムを特集すべきところだが、今回はドンバスアリーナに焦点を当てた。
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